イマジネーション


つかこうへいさんの「演劇入門 邪馬台国の謎」から引用します。


「そうだ、そのシンプルさの中に豊饒さがあるんだ。
それを分かりやすく喋るために、演劇と映画の違いから喋ろう」

「例えば、男と女の海での別れの場面だとする。
そして、『寒い海ですね』という台詞があるとする。
これが映画の場合は、絵面を出さなければいけないので、
どっか寒い海のロケ地を探してこなきゃいけないわけだな。
ところが、男と女の別れの心情を支えうる寒い海なんて
どこ行ったってありゃしないんだよ。
 ・・・
ところが、演劇の場合は、役者がうまくって、
『寒い海ですね』と言ったら、
波の音なんか聞こえなくたって、充分寒い海になっちゃうんだ。
客の想像力で南極以上の二人の悲しい海ができあがっちゃうんだ。
つまり、映画の方がリアリティのある絵を見せない分だけ表現が貧しくなり、
かえって、演劇の方が客の想像力を駆り立てて豊饒なわけだ。」



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